これから観たい期待の映画たち(二月編)

月末モードに入ってきたので、ここで来月に入ったら観たい映画をリストアップしておこうかと思います。ちなみにここに記載する公開日は大阪のものを基準としています。

【新作編】
2/4公開
ウォール・ストリート Wall Street: Money Never Sleeps

オリバー・ストーンマイケル・ダグラスと23年ぶりにタッグを組み世に放つ、経済・金融を題材にした物語。前作は未見なので時間があるときに観ておきたいところ。

2/5公開
1.ザ・タウン The Town

アルマゲドンパールハーバーなどの主演で知られるベン・アフレックが主演・監督を務めたクライムムービー。ベンが脚本を書いた映画は二本あるのだが(そのうち一本はマット・デイモンと共同で書いた本だが)、グッド・ウィル・ハンティングもゴーン・ベイビー・ゴーンもとても好きな物語。グッド〜のほうはガス・ヴァン・サントの作品でも特に好きな映画です。よってこの作品にも否応なしに期待が高まる。

2.冷たい熱帯魚 Cold Fish

二月の大本命。鬼才・園子温が超傑作『愛のむきだし』に続いて送る実話を基にして描く衝撃のストーリー。『愛のむきだし』が予告からもどこか禍々しいオーラが感じ取れます。この一本を観ることでパワーを使い果たしてしまいそうな気がするのでザ・タウンとのハシゴはおそらくやることは叶わないでしょう。

2/12日公開作品にはめぼしいものは見当たりませんでした。いわば箸休めの週となりましょうか。しかし、いずれにせよ午前十時の映画祭を観に行くので映画とは縁を切ることができなさそうです。午前十時の映画祭についてはまた後日書きます。

2/19公開
ヒアアフター HEREAFTER

僕が尊敬してやまない映像作家、クリント・イーストウッドが死後の世界を描いた作品。ゼロ年代に入りミスティック・リバーミリオンダラー・ベイビー硫黄島二部作、チェンジリング、グラントリノインビクタスとまさしくハズレなしの作品ばかりを産み出してきた彼。果たしてこの映画は僕の中にあるイーストウッド映画のどのポジションに落ち着くのだろうか。待機作のレオナルド・ディカプリオが主演を務める『フーヴァー』、ビヨンセが主演に選ばれた、ミュージカル映画スタア誕生』のリメイク版など老いてますます精力的に活動を続けてゆくイーストウッド。いつまでも追いかけていきたいものです。

2/26公開
1.英国王のスピーチ King's Speech

二月の本命。今年度オスカーの主演男優賞はまずこの作品のコリン・ファースで間違いないだろうと噂されています。予告から察するに吃音症持ちのジョージ6世が、いかにして妻と専門医と共に吃音症を乗り越え、開戦時のスピーチをするに至ったかという映画なんですが、もうこれ予告観た時点でグッとくるものがありました。コリン・ファースの不安げで自信なさげな顔にどっぷり感情移入してしまったんですね。観るのが非常に楽しみです

2.悪魔を見た I Saw the Devil

こちらも熱帯魚枠(ガチガチバイオレンスアジアもの)ですごく見たい作品。なんだかもう予告映像からですら溢れ出てくる得体のしれないパワーに圧倒されてしまう。これまたハシゴには似つかわしくない題材なので単独のスケジュールで鑑賞することになるかな。

3.劇場版 マクロスF 恋離飛翼サヨナラノツバサ

アニメ版はいまだに全て見てはいないが、それ故に前編のイツワリノウタヒメをまっさらな状態で見ることができたのでいっそのことこのままの状態で臨もうかと思っている。前編の時点でもかなり迫力あるライブシーンと空中戦を見ることができたので、年月を経て進化したであろうその映像技術と楽曲に期待。ちなみに僕はシェリル派。

とりあえず新作で観ようと決めている作品はこの七本ですね。今のところ2/26が激戦地。ここに朝十の二本も追加してしまうとえらいことに。ただこれも公開日順にリストアップしただけのものなので、今見逃している作品やここに記載していないもの以外でも観たくなって足を運んでしまう可能性も大きいのではありますが。しかし観たい映画を見るので忙しいってのは幸せなことでしょうね。

ソーシャル・ネットワーク

デヴィッド・フィンチャー監督、アーロン・ソーキン脚本、ジェシー・アイゼンバーグ主演。
今年僕が最も期待を寄せていた作品、『ソーシャル・ネットワーク』を観てきました。

オープニングからまさしく息もつかせないような言葉の奔流に心を奪われます。とにかく最初からアクセル全開で、その怒涛のテンションのまま最後まで迷うことなく突き進んでいくので終わってみると「あれ?もう終わったの?」と感じてしまうこと請け合いです。
おもに会話主体で進むため、派手なアクション、スペクタクルシーンなどはないのですがそれでもやはりセリフ運び、テンポの良さ、映像や音楽のセンスが抜群に良いので超良質の心理的ジェットコースタームービーとして最初から最後まで心から楽しむことができました。
マークが早口に喋りすぎるので字幕の表示も出ては消え出てはすぐ消えを繰り返すといった感じで、本当にスクリーンから目を離すことが許されない二時間でした。溢れ出んばかりの情報に身をゆだねて、観終わった後には心地の良い疲労感が頭の中に居座り続けます。自分の脳みその情報処理能力をフルに使って臨まなければ振り落とされてしまうほど濃厚かつハイスピードな作品でしたので、ここはまあハマれなかった人はとことんハマれないと感じてしまう人もいるんでしょうね。

さて、特に俳優陣で素晴らしかったのはやはり主人公、マーク・ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグですね。

とにかくこのマークの早口言葉のようなセリフに込められた情報量がとてつもないのです!ただでさえ字幕を負うので精いっぱいなのに、字幕からやむを得ず漏れ出た情報はさらに多いのだろうと想像が簡単にできてしまうのですからこの脚本の出来は凄まじい。そしてその量のセリフを訥々と語りあげてみせるジェシーの演技は脱帽モノです。
ゾンビランド』の時は共感を呼ぶタイプのヘタレっぽい役だったのに、

一変してこちらでは簡単には感情移入を許さないタイプの孤高の役柄を見事に演じ切っていました。改めて実感しましたが、役者の変わり身というものは本当にすごいですね。寒さを感じていないかのような振る舞いや、ビール瓶を投げて渡すのを失敗しても平然と再び投げる様子など、思考レベルだけでなく感情、生理的な面においてもどこか常人離れした人間であるという印象を強く感じました。マークはおそらく疎まれていたり低く見られていたのではなく、ありとあらゆる面で常人とは格が違いすぎるので恐れられていたのでしょうね。だから友達も少なかった。でも、ラストにどこか人間味を漂わせるカットを持ってきて終わらせていくのはうまいなー、やられたなーと強く感じました。しかし、そのの表現方法もどこか歪んではいたのですがね。だからこそ哀愁を強めていた。

最後に劇中で使用されていた音楽のことに関して少しだけ。
NINE INCH NAILSトレント・レズナーが手掛けた音楽は当然どれも素晴らしく合っててこの映画を時には盛り上げ、時には没入させてくれるのですが、僕としてはエンドロールでThe BeatlesのBaby, You're a Rich Manのイントロがかかってきた瞬間に頭が沸騰しそうなくらいにうれしくなって、それからしばらくは冷静に物事を考えることができませんでした。とにかく歌詞の内容も非常に示唆的で、この映画の要旨と見事にマッチしているんですよね。つまりこの映画の内容は非常に通俗的なものなんです。(逆に言えば現代でも通用する歌詞を書いたビートルズの先見性、通俗性も凄い)約40年前に書かれた歌詞の内容が現代劇にもここまでフィットするのですから。繰り広げられる会話や飛び交う単語はそれこそ最先端のIT関連のものや複雑な経済、法律に関するものばかりなのですが、根底に流れるものは人間の原始的な感情、欲望なわけで。

長々となってしまいましたが、とにかくこの作品は大傑作でした。オスカーを争うだけの出来は保証されたものだと思います。ぜひ劇場へ。この作品は音響設計もとことん劇場向きだと思うので、そこらへんも含め観ていただきたい内容となっていました。

私的2010年度劇場公開映画ベスト10!

はい、と言うわけでやってまいりましたこの季節。すべてを総括し、来年に向けて新しい視点を向けるための大事な時期。

“今年、日本で、劇場初公開されたもの”というしばりで、今年鑑賞した2010年に劇場公開された54本の映画から10本選出しました。もはやベスト10に選出される作品ともなると作品の出来うんぬんよりも僕自身の思い入れ、愛情が色濃く反映されたランキングになっておりますのでいささか世間とずれた視点からの物言いになっていたりする可能性があるのですが、そこはどうかご了承のほどを。

では、第10位からカウントダウン方式で!

No.10 告白

監督:中島哲也 主演:松たか子

今年最も物議を醸す対象だったのではないかと思われる問題作とともに大傑作。この作品が映画か映画でないかなんて議論は僕にとってはさほど重要な問題ではなく、ただひとえに面白かったし、素晴らしかったと思うのでベストに選出した次第。ひたすらにクールな映像、スタイリッシュなBGMの選曲、過激・衝撃的なストーリー展開などすべての要素が僕の五感を刺激してやまなかった。その映像世界に溺れ、魅了される。
すべてが終わり、劇場内の照明が付いてもみなどこか現実に戻り切ることができないかのように漂っていた重苦しい空気を僕は忘れることができない。松たか子の鬼気迫る狂演、岡田将生の空虚さ(ところで今年公開された『悪人』でも最低の頭空っぽ下衆野郎を演じていましたね。汚れ役でも見事に演じて見せるその姿勢が好きです)、木村佳乃の自分の子どもを疑うことを知らない歪んだ無垢さなどすべてが印象的。

予告

No.9 人生万歳!/Whatever works

監督:ウディ・アレン 主演:ラリー・デヴィッド

今年最後の映画館納めとして選んだこの作品だったが、見事にマイベストに滑り込んできてくれた。こんなにもド直球なハッピーエンドを見られて本当に幸せ映画締めになったと思う。観てる最中口角ずっと歪みっぱなし、微笑ましくてたまらなかった。劇場もほぼ満員、空き座席を探すのに苦労したほどの混雑で、皆が全身でこの映画を享受している喜びを僕も共有できて、本当に幸せな91分だったように思う。
ストーリーの展開は強引、いわばご都合主義が全開な内容ではあったものの、むしろそれはウディ・アレンが意識的に「これは映画なんだ」というメタ的意識で以てこのような構成となるにいたったのではないかと僕は考える。主人公のモノローグも僕たち観客に向けてのものだったしね。そもそもこの映画の原題の時点で“Whatever works”=「なんでもあり!」だったりで。人生には喜びも悲しみも混在していて、どんな状況でも光は見えてくるし、幸せになる為ならなんでもありなんだよ!と全力で肯定してくれる愛すべき人生賛歌。

予告

No.8 オーケストラ!/Le Concert

監督:ラディ・ミヘイレアニュ 主演:アレクセイ・グシュコブ

この映画の最後の演奏シーンは圧倒的な是のパワーで満ち溢れていて、9位の人生万歳!が言葉で満ち溢れた人生賛歌だったことと比較し、むしろこちらは言葉で語らない人生賛歌だ。口に出さずとも奏でる音で心は通じ合うし、観客の心にも陳腐な言葉以上の説得力の強さでもって語りかけてくる。メラニー・ロランの美しすぎて恐ろしいほどの姿をスクリーン上でどアップで見ることができたのも本当に嬉しい体験となったし、なによりもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が素晴らしすぎる!今ではテレビなどでこの旋律が聴こえてくるたびに自然と涙腺が緩みそうになってしまう。序盤から終盤にかけてのひたすら冗長な展開も、いま考えてみればすべてラスト10数分間への前振りだったのだと思えるし、そう思えてしまえば映画全体が素晴らしくいとおしいものとなる。僕もこの映画のように全力でもってこの映画を肯定していきたいと思う。

No.7 第9地区/District 9

監督:ニール・ブロムカンプ 主演:シャルト・コブリー

凄まじいほどの熱量でもって描かれる最後のドンパチに心は震え、目元は緩む!最初から最後まで異常なテンションで描かれるこの物語に心を掴まれないでいられようか。人間臭い宇宙人・通称エビたちの生活様式、エビたちよりも外道な人間たち、しかしこの二つの種族が共通の目的を見いだしタッグを組むことにより、思いもしなかったケミストリーが巻き起こる。ボンクラ銃撃戦、宇宙人のいかしたデザインの武器、エビ型パワードスーツなどもうツボりまくって仕方ない!ピータージャクソンが見出したこのニール・ブロムカンプの才能、これでデビュー作だなんて、この先どのような名作が生み出されるのかと考えてみると空恐ろしい。彼の次回作が心より待たれてならない。

予告

No.6 キックアス/Kick Ass

監督:マシュー・ボーン 主演:アーロン・ジョンソン

主演の欄には便宜的に主役、キックアスを演じたアーロン・ジョンソンの名前を挙げているが、正直なところは幼きヒーロー、ヒットガールを演じたクロエ・グレース・モレッツこそが真の主役だと言いたい。バタフライナイフを巧みに操ってみせるシーンがあるのだが、聞くところによればあの部分はノンスタントで彼女自身がやって見せた技なのだそうだ。そんなことを聞くともう余計に惚れこまざるを得ない。もちろん彼女以外にもユーモアあふれる日常描写や、派手な切り株描写に軽快な音楽をつけてその毒を薄めたあたりも工夫されていてこの映画の印象をどこかさわやかなものとしている。
ただ、原作の描写は陰惨なものがあり、印象ががらりと変わっていると言う話もきくのでいつかは原作も購入して読まなければなあ、とは思っている。

予告

No.5 ぼくのエリ 200歳の少女/Lat Den Ratte Komma In

監督:トーマス・アルフレッドソン 主演:コーレ・ヘーデブラント

スウェーデンの片田舎。雪の白。少年の肌の白。血の赤。炎の赤。深々と降る雪。静寂に包まれた小さな世界。とにかくワンシーンワンシーンが詩情にあふれていて美しい。どこか夢現のように終わりを告げるこの物語の先に待ち受けるは、果たして希望か絶望か。いわばホラー映画として描かれたこの作品なのだが、直接的なホラー描写は実際のところ少なく、どちらかというと間接的なれど精神の奥の方にズンと沈み込んでくるような場面が多い。この詩的な世界をハリウッドリメイクでぶち壊しにされやしないかと戦々恐々ではあるのだが、前述のキックアスで最高の演技を見せてくれたクロエ嬢が今作でいうエリ役を演じるそうなのでひとまずそれだけで大期待できる。

あとこれは本当に何度も繰り返して言うことになるけど、ストーリー説明上大事な部分にぼかしを入れてしまったのは許しがたいこと。物語の意味が変わってしまう上に、美しい世界を急激に低俗なものにされたような気分になってしまいぶち壊し。最近観た『フローズン・タイム』(女性の一瞬一瞬の美しさを芸術的に描いた非常に美しい作品)でも同じことを思ったりしたなあ。なにはともあれ作品自体は大金星の出来であった。

予告

No.4 トイ・ストーリー3/Toy Story3

監督:リー・アンクリッチ 主演(声の出演):トム・ハンクス唐沢寿明ティム・アレン所ジョージ

No Toy Gets Left Behind.(俺たち、だれも置いていかれなんてしやしないさ!)本編を見た後でこの文章を読んだだけでもう涙腺崩壊。もう幼いころからこのトイストーリーシリーズを観て育ったと言っても過言ではなく、アンディと殆ど年齢も一緒だったので思い入れや愛情が半端なかったので、この映画がこんなに優しく美しい終わりを迎えてありがとうとしかピクサー陣に言えないのがもどかしいほど胸の中に幸せな感情が巻き起こる。本当にマスターピース、心の底から大事にし続けたい。言うまでもなく途中の展開などもこの上なく素晴らしくて、非常にナイスだったキャラクターのケン、お笑いポジションをうまく確立させたミスターポテトヘッド(ex.ミスタートルティーヤヘッド、ミスターキューカンバーヘッド)などギャグ面の描写も極上だったし、何よりも特筆すべきなのは終盤、溶鉱炉に向かって進みゆくベルトコンベアの上、死を覚悟した仲間たちが目を閉じお互いの手を握るしぐさ…!CGアニメーションがここまで克明に死の恐怖を我々に感じさせるシーンがこれまでにあったろうか。もう反則。子供向けの作品などと侮るのは愚の骨頂。言うまでもなくウッディがアンディに別れを告げるラストシーン、アンディは全てのおもちゃに対しちゃんと大切な思いを抱いていたと吐露するシーンでは劇場で嗚咽を挙げる寸前まで涙をこぼした。僕たち観客は、おもちゃたちが動くことはないと人間たちが思いこんでいるという前提を知っているが故にこれほどまでに感動が募るのだ。完全無欠、有終の美。

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No.3 インセプション/Inception

監督:クリストファー・ノーラン 主演:レオナルド・ディカプリオ

始めてティーザートレーラーを見たときから心待ちにしていてやまなかった作品。上映1週間前には本予告を何回も何回もリピートして、日に日にハードルをあげていた。その期待値を軽々と飛び越え、そのさらに斜め上を飛び去ってゆくノーランの頭脳の構造に脱帽。多重構造の夢世界で、どの層においてもタイムリミットが刻々と迫ってくる緊張感と、ノーランの生み出した複雑なルールについていこうとして頭の中はオーバーヒート寸前。知的好奇心をくすぐってやまないまさに夢のような映画。観終わったあとには心地よい疲労感、この世界を飲み込みつくしやり切った達成感が頭の中に心地よい重さでもって居座り続ける。ヤンデレモルさんを鬼気迫る演技でやりきったマリオン・コティヤールがこの映画のマイベストアクター。

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No.2 ヒックとドラゴン/How to Train Your Dragon

監督:ディーン・デュボア、クリス・サンダース 主演(声の出演):ジェイ・バルチェル田谷隼

ツイッターで知って観に行って本当に良かった部門第二位にして、2010年度マイベスト二位。心の底から愛おしく素晴らしい。優しくて弱虫だけど奥には強いものを秘めており、いつか大きなことをやってやるぞと考えている主人公と言う時点で感情移入しまくって、そこにあの猫のようなデザイン、しぐさのトゥースレスが加わって破壊力は爆増。ドラゴンの背中に乗って大空を自由に飛び回りたいというのは僕の原始的な衝動だし、それをたとえ映像と言う形ででも現実化してくれたこの映画には感謝してもしきれない。試行錯誤を重ねていき次第にトゥースレスをうまく乗りこなせるようになる過程や、ドラゴン同士の対決なども本当に無駄と思うシーンがどこにもなく、98分ずっと駆け抜け最後にはさわやかな感動が残る。ヒックはトゥースレスがいないとやっていけない、トゥースレスもヒックがいないとやっていけないというこの共依存関係はゾクゾクするほどに美しい。

予告

No.1 リトルランボーズ/Son of Ranbow

監督:ガース・ジェニングス 主演:ビル・ミルナー ウィル・ポールター

ツイッターで知って観てよかった部門の一位にして、2010年度、ともすれば生涯ベストに食い込まんほど愛おしい作品。これこそ新世紀の『ニューシネマパラダイス』だと僕は声を上げて主張する。完璧。反則。もはやワンシーンワンシーンごとに涙が出そうなほどに可愛らしく微笑ましい。娯楽を禁じられた子どもが自分の本に募り募った妄想を存分にラクガキしたり、その彼が初めて観た娯楽作品、『ランボー』により夢を爆発させて自分で映画まで撮ってしまおうだなんて、映画好きの僕が涙せずに観られようか!
子供だから当然人員も足りないし、費用も足りないしカメラワークもてんで素人のホームビデオみたいなものなのだが、彼らの映画に対する愛情と子どもなりの柔軟なアイデアで産みだされたその映像は心の奥底に深く深く刻みつけられる。スカしたフランス人留学生もとてもいい味を出していたし、何よりもムスッとした顔のカーターが顔をくしゃくしゃにして泣くシーンなどは本当にたまらない。映画というものは必ず編集されたものであるということを逆手に取ったラストの演出にも脱帽。この作品、観た直後からベスト入りすることは間違いないと確信していたのだが観たあと日が経つにつれて僕の心の中でどんどん存在が膨れ上がって、最終的にはマイベストに選出することとなった。いつまでもいつまでも吟味して、大事に残していきたい作品である。

予告


ベスト10まとめ
1.リトルランボー
2.ヒックとドラゴン
3.インセプション
4.トイストーリー3
5.ぼくのエリ 200歳の少女
6.キックアス
7.第9地区
8.オーケストラ!
9.人生万歳!
10.告白

iPhoneから投稿テスト

ただテストするだけでは味気ないので、最近買った本について少々書きたいと思います。

僕は最近『ゼロ年代アメリカ映画100』と言う本を買って読んでいます。この本は文字通り1999年から2009年までの十年間の映画100作品を選出しリストアップしたものなのですが、そのチョイスがとても素晴らしく、観た、未見の作品どちらにおいても役立つガイドたるものとなっています。掲載されているコラム、対談の筆者陣も錚々たる面々で、その内容も濃く読み応えがあり、値段は2730円と少し高めの設定ではありますが、それでも非常に満足できるものとなっています。ハートロッカーの表紙、デスプルーフの裏表紙だなんてのも最高にツボをついていてクールです。

実は映画の書籍を購入したのはこの本が初めてだったのですが、何もガイドのない状況で観るよりも更に理解を深めることができそうなこと請け合いです。未見の作品をこの本傍らに観て、観終わったあと読む。これだけで素晴らしい時間が過ごせそうです

まずはじめに

はじめましての方ははじめまして。馴染みの方はどうも日々お騒がせしております。
このブログは、映画、映画館、音楽、ゲーム、漫画、小説、アニメなどなどのことを徒然とつづっていく、いわばツイッターのブログ版と言っても差支えない内容になることでしょう。
僕が主に活動しているのは先述した通りツイッターなのですが、このツイッター、140文字と言う制限が存在しております。この字数、思ったこと、感じたことをとっさにパパッと書きつけるのにはうってつけの長さなんですが、観た映画、聴いた音楽に関する所感などを長々と書き連ねるにはいささか不向きなところもあるんですね。ブログではネタバレを書いてもその記事を読みたいと思った方がアクセスされない限り読まれることはないのですが、ツイッターだとタイムラインを開いていると読みたくない人でも否が応でもそのツイートを目にしてしまうことがあります。これがツイッターの欠点と言うやつなんですね。限りなくオープンな環境にある故のマイナスな部分と言うか。

と言うわけで、僕はストーリーにも触れていかないと満足に感想を書けない、書きづらい性質なのでネタバレもたくさん含めて気ままに書けるブログを開設しようという考えに至ったのです。

前置きが長くなりましたが、そういうわけでこれからブログを始めていこうと思っています。ツイッターが予想以上に長続きしているので、こちらは三日坊主にならないように気をつけたいな…なので、読者のみなさまこれからよろしくお願いします!

P.S.
本題、と言うより本当にブログを始めたかった理由である2010年度映画マイベストの発表は明日ウディ・アレンの『人生万歳!』を鑑賞してから選考し、ここにもアップしたいと思っています。映画納めにふさわしい作品であることを願っています。